薬物依存症とは

薬物依存症とは

大麻や覚せい剤などのいわゆる違法薬物は、以前から大きな社会問題として取り上げられてきました。最近では、薬物を使用する層の低年齢化も懸念されています。薬物の使用は犯罪であり、人生が大きく狂うことが分かっていながらも、使用する人がいるのはなぜでしょうか。多くの使用者は、「少しだけなら」と興味本位で手を出してしまうようです。また、「自分は大丈夫」という根拠のない自信を持っています。

違法薬物だけではない

違法薬物だけではない

薬物依存症と聞くと違法薬物のイメージが強いかもしれませんが、市販薬や処方薬への依存も薬物依存症に含まれます。アルコールを薬物と捉えて、アルコール依存症は薬物依存症の一種であるとする考え方もあります。最近はインターネットの発達によって薬物の入手が容易であり、スマートドラッグと呼ばれる薬品が主に若年層の間で流行しています。「集中力が高まる」「頭の中がクリアになる」などの謳い文句で販売されていますが、中には本来であれば処方箋が必要な薬品まで販売されており、大きな問題となっています。

薬物依存症の症状

薬物依存症の症状

薬物依存症の症状としてまず挙げられるのは、薬物に対する「強い欲求」です。薬物の効果がなくなると、もう一度その薬物を使用したいという感情が出てきます。薬物を手に入れるための行動を始め、薬物のことばかりを考えるようになり、物事の行動原理が「薬物を手に入れるために」という思考に陥ります。
また、使用を続けることで「セルフコントロールができない」状態になります。薬物はもう止めようと頭で思っていても、結局使用してしまいます。量を減らそうとしても、同じ量を使ってしまうどころか、どんどん量が増えていきます。そして、時と場所をわきまえず不適切な行動をするようになり、薬物を手に入れるために犯罪行為に手を出すこともあります。薬物を使い続けると、当初の量では効果が持続しなくなるため、使用量が増え続けていくとともに、薬を入手するための行動もエスカレートしていくのです。
また、薬物の種類にもよりますが、苦しい離脱症状が現れるケースもあります。不眠や不安感などが代表的なものですが、ヘロインの場合は下痢や嘔吐などの症状があります。薬物を摂取することで症状が治まるため、離脱症状の不快感から逃れるために薬物を使用し、量が増えていくという悪循環が生じます。精神依存と身体依存の症状がありますが、身体依存の症状が現れるようであれば、薬物依存症であると断言できます。